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TUGUMI

吉本ばなな著  中公新書

*あらすじ*
つぐみの強い眼差しと意思は、白く、細く、弱い身体に不釣合いだ。
つぐみと私…海のそばの旅館で過ごした日々の記憶が帰省した最後の夏に蘇る。
誰もが感じたことのある懐かしさ、空気の匂い、ギュッとくる思いがここに。

個人的お勧め度4,5
*続き以下感想ネタバレ注意*

つぐみはどう考えても性格がよくない(笑)外では良い子を演じているのに、家では自分勝手で言いたい放題。嫉妬するほど容姿も抜群。でもなぜか憎めない。それはきっと彼女がとても真っ直ぐに生きていて、自分の意志を貫いている点に惹かれるからなのかもしれない。

東京で「私」は海の匂いを感じたとき、懐かしさを覚えた。
…自分にとってそれは海の匂いではないけれど、同じように全く違う場所でふと懐かしい匂いや景色に出逢うことがある。そのときの少し不思議な感覚をこの本を読んで思いだした。

登場人物は「優しくていい人」ばかりだ。(不良グループやクラスメイトは外したとして重要人物でみた場合)いとこの陽子ちゃんをはじめ、旅館の人たちは複雑な事情を持つ「私」と母を受け入れているし、事情からして悪いはずの父でさえ「私」や母に対する想いはとても優しいものだ。もちろん、ホテルを建て嫌われる立場の恭一も…。けれどなぜか不自然ではない。私にはこの本に流れる爽やかさがその不自然さを消しているからではないかと思う。

作者は、つぐみの手紙によって「今までの彼女は死んで新しく歩みはじめる」という解釈をひとつ提示しているけれど、私にはあまりそのようには思えなかった。
(解釈はそれぞれと仰っているので私の考えとしては)人間はいくら自分の思いや考えを言葉にして伝えたとしても、そんな簡単に変われるものではないと思っている。もちろん変化はある。けれど、つぐみの他の一面が増えたというだけであって、死んで生まれ変わるとは少し違うのかなと。変わる変わらないというよりは、そのような想いが自分の中にあったのだと気づくことがまず大事で、そのあと「じゃぁどうするのか」を考える過程が重要なのかもしれない…そう思うようになった。(確実に影響されてるね)

ところで。
恭一とつぐみの関係が好き。というか憧れます。芯の部分で繋がっていて、強い絆があるのにどこかあっさりしている。なんだか羨ましいなぁと。
主人公の「私」は最初から最後まで第三者的な立場で、感情移入して読むタイプの自分はちょっと哀しくなりました(笑)

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受信: 2007年3月27日 (火) 18:12

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